DMDAEMONの創世記 第-1章

 ――ここはDMDAEMONの本拠地。 これからするのはDMDAEMON各柱の、”居場所”の話だ。 土地や建物の話ではない、観念‥‥抽象‥‥イメージ‥‥のような、あいまいで核心的な話をしようじゃないか。 何?我の文章にしてはまともすぎる?我の書いたいつものような文を、三次元のニンゲンにも読みやすいように、 ファーレヴォのやつが訳しているだけだ。 ――表層、三次元の世界に最も近い所に、第七柱・ゆるるさんと、第三柱・ファーレヴォがいる。 下層で創られたモノを、三次元世界に表出させるのがファーレヴォの役割だ。 ファーレヴォは”影”の存在で、”意志ある者”の作った”壁”の影を操ることで 創造物を顕現させたり、情報を”意思ある者”に示したりする。 その”影”が”場所”――フィールド――となって、 三次元世界から観測できる場所に我らDMDAEMONが存在できるようになる。 そんな”場所”に表立って顔を見せているのがゆるるさんだ。 ゆるるさんは、はじまりの『メモ帳』―テキストファイル―より出でて、別の『メモ帳』を創り出す存在。 DMDAEMONの代表者ヅラをしていて三次元の存在かのように振る舞うこともあるが、 本懐はただの『メモ帳』づくりだ。 裏方の仕事は全て他の柱々が行っているというのにデカい顔をしているんだ‥‥ ――中層、三次元と二次元のちょうど狭間に、第二柱・イレノダクと、第三柱・ナスタがいる。 両者とも、表層で創られた『メモ帳』を元に、世界の部品を創り出す役割だ。 イレノダクは、”音”を超越した”闇”の波動を操ることで”音”を創り出す。 その経緯で「成分:闇100%」の板状に見える物体を無数に生成することができる。 魔力はDMDAEMONの中で最も強く、はじまりの『メモ帳』よりも先に在った存在だ。 ナスタは、”意志ある者”の”苦痛”に感応することで、”意志ある者”の視覚情報を支配する。 ”苦痛”のない世界では何も出来ないし、”意志ある者”が存在しなければナスタも存在し得ない。 魔力もイレノダクとは対象的にDMDAEMONの中では最弱、頭のリング状の装備での魔力補強がなければ 活動することが出来ない薄弱な存在だ。 ――深層、二次元の世界に最も近く、二次元世界の根源たる場所に 第八柱・ゲロバリスと、そして我――第五柱・セレナハトがいる。 ゲロバリスは世界の法則を支配している、『魔法使い』の最上存在だ。 『大黒魔導士』の称号を冠するのは伊達じゃなく、世界にある全ての魔導はゲロバリスが祖となっている。 そして我は、世界の”観念”を司る竜だ。 訳されない状態で我の紡ぎ発する言の葉がニンゲンにとって可笑しく見えるのは、 我の言語が”観念”を振動(ゆ)るがすことで伝達しているためだ。 ――欠番。DMDAEMONは、第一柱と第六柱が欠番となっている。 欠番の柱については我らの識る事はこれだけだ、 第一柱と第六柱は確かに存在する事。そして、活動を停止している事。 我が持つ欠番に関する幽かな”観念”の欠片を一文字で表すなら 第一柱は「運」 第六柱は「滅」 ‥‥何を意味しているのかサッパリだが、動かぬモノを考えても仕方あるまい。 ・戻る